Love Notes
ゴスペラーズ
KRE
発売日 2001-06-06
1人アカペラと言えば山下達郎だが、平成のアカペラグループを代表するのがゴスペラーズだ。そんな彼らの、選りすぐりのラブソングが詰まっているのがこのアルバムで、13曲中2曲がリテイクバージョン。
特にデビューシングルのはオリジナルも非常に美しく、人の声のもつ魅力を再確認させてくれたが、再録はその美しさに円熟味がプラスされいっそうの輝きを放っている。彼らの黒人音楽へのこだわりと、さまざまなハーモニーへのアプローチが消化され、熟成された経過が音を通じて確認できる1枚。(末延仁人)
魅せ場ゾクゾク 2006-01-17
「Promise -a cappella-」「永遠に」の幕開けに象徴されるように、ゴスペラーズの甘美さを凝縮した作品。“Love Notes”という主題通り、恋の酸いも甘いも噛み分ける物語たちが心に染み渡ってくる。
「NO MORE TEARS」「八月の鯨」は涼しさやドゥワップの技術が楽しめ、彼らの良さはセレナーデだけじゃないんだぞという見せ所。他方、「U’ll Be Mine」「AIR MAIL」は安岡のロマンチックな力が炸裂し、これぞゴスペラースのバラードという艶を見せる。
「t.4.2.」は酒井の作詞作曲、「渇き」は黒沢のそれとなっており、前者はゴス随一のクリアな声が活きた曲調、更にはことばでわざわざ描写説明せずとも、行間の雰囲気の妙が今作中最も光る一曲。一方後者、アコギの柔らかさが、日常に悲恋が入り込んだときの寂しさを見事に表している。隠れた名曲。
「I LOVE YOU, BABY」は“I LOVE YOU”ということばにはシンプルさの強みもありながら、画一的で使うのに勇気の要ることばだと思う。それを使った上は作家に相当の思い入れやこだわりがあったと思われる。曲調は非常にゆったりとしており、ことばを噛み締めるように5人は歌っている。そしてその余韻を保ちながら「あたらしい世界」のピアノ前奏に入ってゆく。詞は康珍化。結構単純なのに、彼らが歌うとことばを音が超えてゆく、或いは足りないものを補い、立体化してくれる。この曲の核心は彼らだからこそリアルに空間に描き出されたようだ。
「カーテンコール」のプロローグを経て“愛してる”という第一声と共に「ひとり」が吹いてくる。安岡と村上それぞれ別の作詞だが、前者が短くささやかな曲、後者が求心力を持った曲だけに、こう並ぶとまるで二つの詞は同じ物語として続いているようだ。作品はこれで一気に引き締まった。
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