●ホントのきもち (SACDハイブリッド盤) |矢野顕子
ホントのきもち (SACDハイブリッド盤)
矢野顕子
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
発売日 2004-10-27
今のロックは矢野顕子の爪のアカを煎じて飲め、と言いたくなってしまった。Y.M.Oにヤラれたその昔、おのずと触れることになった矢野の存在を、他人事ながら自慢したい気持ちになった感覚に近い、世界に誇りたいものがこの新作にはある。
岸田繁との共作で鳴っているのは、基本的に最近のくるりの言葉数少なめで素直なメロディ。いくらでも自然にアクロバティックなこともできる矢野が、それをしないことの新鮮さ。もしくはN.Yの盟友ジャズ・ミュージシャンとの、このうえなくロックなセッションの自由度。誰とコラボしてもここまではできまいという、躍動感に満ちたレイ・ハラカミのサウンド・プロデュース。岸田の鉄道フェチっぷりと、矢野の勇気凛々な女の子像が結実した「Night Train Home」はじめ、ここには喧喧諤諤(けんけんがくがく)を経た楽しさがあふれている。(石角友香)
レイ・ハラカミと組み新境地を開く 2006-01-25
もともと矢野顕子は最先端の音楽を取り入れていくスタイルを持っている。たとえば初期の頃の「いもむしごろごろ」は当時画期的であったムーグのシーケンサーを取り入れているし、「やませ」などはムーグサウンドとピアノのコラボだ。後、カクトウギセッションという名のYMOのメンバーと六本木ピットインでライブをし、YMOのワールドツアーへという流れになる。それ以降は、多くの人が知る所なので割愛するが、その流れとして今回のレイ・ハラカミとの"Too Good To Be True(7曲目)"と"Night Train Home(10曲目)"は、最先端サウンドの新境地である。このサウンドに近いのはJeff Bovaとタッグを組みTHE HAMMONDSとして出しているlife behind TVだろう。しかしレイ・ハラカミのサウンドの方が緻密である。レイ・ハラカミと組んだこの二曲を聴くためだけにでもこのアルバムを購入する価値がある。